光のもとでⅠ

 それを見てから、
「じゃ、翠葉。午後のライブステージ楽しみにしてる。桃華、行こう」
 俺は桃華の背に手を添えて歩きだした。

 彼女の隣に並び校内を歩く。
 そんなことを新鮮に思い嬉しいと感じる。
 不満があるとすれば、彼女の首にカードケースがかけられていないこと。
 そして、どうしたことか一言も喋らない。
「カードケース、気に入らなかった?」
 今朝、ランニングのときに渡した感じだと喜んでもらえたと思ったんだけど……。
「いえ、あの……ものすごく嬉しかったです」
「で、今それを使ってくれてないのはどうしてかな?」