「……ねぇ、あんちゃん。ベールがかかってたから顔ははっきりとわからなかったけど、パンフの写真に写ってるのって、間違いなく今の簾条さんだよね?」
 唯が言うパンフレットとは、ウィステリアホテルの挙式場のパンフレットのこと。
「そう。静さんに相手役は俺が決めていいって言われたとき、彼女しか思い浮かばなくてさ。それをきっかけに告って付き合い始めた」
 それ以外にも色々あったけど、それは今ここで話すことでもないだろう。
「あんちゃんが意外と抜け目ない人間であること発覚。俺のデータベースに追加追加」
 これは抜け目がないということになるのだろうか。
 でも、妹のクラスメイトに目をつけた、という部分だけを見ればそうなのかもしれない。
 ただ、それだけで恋愛対象に入ったわけじゃないんだけど――。