翠葉にオーダーをすると数分後には桃華がトレイを持ってやってきた。
「お待たせいたしました。チョイスセットです」
 桃華は迷わずシュガースティック四本を唯に差し出し、俺にはブラックのコーヒーを用意した。
「へぇ、俺が砂糖つきであんちゃんが砂糖なしってところまできっちりオーダーシートに書かれてるんだね?」
「そういうわけではないのですが……」
 桃華は言葉を濁して俺を見た。
「唯、彼女、簾条桃華さん。翠葉のクラスメイトで俺の彼女」
「は? ……え? ああああっ!?」
 奇怪な反応をする唯を見て桃華が笑う。