当たり前だ。翠葉は何を着せてもかわいい。
 でも、問題はそこじゃない……。
 伝票を片手にスカートの裾を押さえる翠葉を桃華が叱り飛ばしていた。
「あんちゃん、ここはちょっと大人になろうか?」
 唯が、「落ち着け」と言わんばかりに俺の肩に手を置く。
「お待たせいたしました」
 受付の男子に言われ教室に入るとすぐ翠葉に声をかけた。
 翠葉は俺たちに気づくと笑顔を見せてくれる。
 それと同じタイミングでクラス中の視線を集めてしまった。
 やばい――声、大きかったか?