光のもとでⅠ

「……さいでしたか。失礼いたしました」
 普段、本社にも現場にも出ない唯がジョブランクのことを知っているのは、入社させてすぐに内勤ジョブランクのS職試験までをパスさせたから。
 もっとも、やれといってS5までの昇段試験をパスできる人間はそうそういない。
 そんな快挙を遂げた人間にチェックさせたプランに綻びがあるわけがない。
「一番目ざとい唯に指摘されなかった時点で問題はクリアしたと思っていた」
「はは、俺、もとはハッカーですからね。そりゃもう、穴を見つけるのは得意中の得意です。故意的に壁に穴をあけたりかいくぐったりするのも得意ですけど」
 得意げというよりは、若干引きつり笑いで答える。
 なんでそんな言い方をするんだか。
 前はハッカーでも、今は十分頼りになる部下だというのに。