光のもとでⅠ

 俺たち、翠にここまで関わって良かったのか?
 今さらだけど、そんな思いが心を掠める。
「司、今さらよ。もうあとには引けない。どっちにしろ、言うしかないのよ。腹括んなさい」
 そんな会話をしたあとは、互いに無言で手と口を動かした。

 エレベーターホールで会った翠は穏やかな表情で、その顔色から寝不足はうかがえない。
 挨拶代わりに軽く言葉を交わしてからマンションを出た。
 学校へ向かう下り坂――俺の後ろからは他愛のない話をしてはクスクスと笑い声が聞こえてくる。
 本当は、今言うのが一番いいのだろう。