光のもとでⅠ

「翠葉、俺も――俺も変わらないのかもしれない」
「ん?」
 いつもより近くに翠葉の声が聞こえる。
 至近距離だとこんなふうに声が聞こえるんだ……。
「友達を作るのは怖いよ。大切な存在を作るのは怖い。自分がそれを守る自信もないのに手に持つのは怖い。そういう意味なら、翠葉の言う『怖い』は理解できなくない」
 こんなこと、誰にも話したことはなかったし、直視することすら避けてきた。
 その結果のひとつが飛鳥であることにも今気づいた。
「……海斗くん、ありがとう。ありがとうね?」
 次の瞬間、俺の身体に翠葉の腕が回された。
 そして、俺がしたみたいに、翠葉にぎゅっと抱きしめられた。