翠葉は何を言われているのか要領を得ないといった感じで、目を白黒させていた。
「幼稚部から一緒なわけでもなく、高等部からの入学でこれだけ藤宮の人間と深く関わっている人間ともなると、狙われかねない。普段の校内ならまだしも、外部から人が入ってくるとなると話は別」
「海斗くん、何? なんの話?」
 慌てた翠葉は少し身を引く。
 それも仕方ない、かな。
 言い始めたらあとには引けない。
 もっとも――あとに引く道なんて残されていないんだ。
「ごめんな。俺たちと関わっていると身の危険に晒される可能性がある。薬物と外から持ち込まれた飲食物――それだけは警備ではじけない。だから――」
 先に続ける言葉を探していると、ちょうどいいものが側にあった。