全体ミーティングが終わったあと、司に呼び止められた。
「佐野にインカムの使い方を教えるとき、翠のフォローも頼む」
「え?」
「使い方に不安があるみたいだから」
「わかった」
「それと、秋兄たちが対応できないものがひとつだけある」
 切れ長の目を見たとき、司の言わんとすることを察することができた。
 秋兄たちが対応できないもの――それはつまり、「学園警備が対応しきれないもの」だ。
「今朝気づいた……」
 司はまるで自分の失態のように話す。
 俺なんて、今言われて気づいたくらいなのに……。