光のもとでⅠ

 驚いたのは翠葉だけじゃなくて俺もだけど、俺には隣にいる翠葉の観察ができる程度の余裕があった。
 きっと、秋兄や司だけじゃない。
 翠葉も変わり始めている……。
「……それも嬉しい」
 隣から聞こえてきた翠葉の声はとても小さなもので、二メートルほど前を歩く司に聞こえたかはとても怪しい。
 けど、届いていると思いたい。
「あいつ、地獄耳だからたぶん聞こえてるよ」
「聞こえていなくても別にいいの……」
 翠葉は穏やかに笑みを浮かべた。