光のもとでⅠ

 確か、司も同じようなことを言っていた気がする。
 そのときと今――。
 記憶があってもなくても、こういう部分は変わらないものなんだな……。
 しょせん、記憶がなくなったところで人の本質は変わらないってことなのか。
 ――いや、きっと翠葉はあと何年経っても、何十年経っても、この感覚を失わずにいる気がする。
 俺が軽く、「そっか」と口にした数秒後、司の声がボソリと聞こえた。
「俺も――ここから見える景色は割と好き」
 翠葉は全行動を停止させた。
 大きな目を見開いて、じっと司の後ろ姿を見ていた。