光のもとでⅠ

 司に限って紅葉祭前夜で眠れなかった、なんてことはないだろう。
 そうとわかっていつつも口元が緩むのは、司の変化が微笑ましくて、だ。
 今まで他人に興味を示さなかった司が人のことを気にして電話した、なんてね。
 半年前ならあり得なかったことだ。
 もっとも、こんなことは翠葉限定なんだろうけれど……。
 それでも、間違いなく司は進化していると思う。
 それと同じように、目を瞠る変化を見せたのは秋兄。
 秋兄も司も、俺からしてみたら近すぎず存在なだけに、複雑な気分になることもあるけれど、こういうのって誰にでも起こり得る状況で、誰にでも等しくめぐってくるチャンスだと思う。
 そのチャンスを有効利用できるかどうかは自分しだい。