咽る俺の背中をさすってくれたのは、俺の左側に座る碧さん。
「家族だもの。ある程度自分のペースで行動できるくらいがいいわ。静、うちは職場でもなければ藤宮でもないのよ。ここは御園生家。こういう家なの」
 やば、涙出そう……。
「そうそう、家族総じてマイペース。これ、御園生家の家訓にしようか?」
 最後の零樹さんの言葉に目の前が少しぼやけた。
 でも、みんな騙されてよね。
 今、涙目なのは咽たせいだから。
 絶対絶対そうだから。