セリの声にしては若干高いような気がする。
 いや、待て……。
 その前に、頭の中で声がするというよりは外部――。
 きちんと耳から聞こえてきた気がしてならない。
 俺の両手にはまだ女の感触がある。
 手の平に伝わる体温を感じ、さらには頬をつかれることで目を開けた。
「……すい、は……?」
 幻聴のように聞こえたものを口にすると、俺の視界に見慣れたきれいなロングヘアが映りこむ。
 セリの癖っ毛じゃない……?
「え? ……あ、わっ、リィっっっ!?」
 焦って咄嗟に飛び退いた。