セリが笑ってる。
 手を伸ばせばすぐ届く場所で――。
 そんなはずはない、セリはもういない。
 わかってはいるのに俺は手を伸ばす。
 夢でも良かったんだ。
 セリが笑って俺の手を取ってくれるなら。
 夢でも、良かったんだ――。
 妙に生々しい感触だと思った。
 夢なのに、超絶リアル。
 そう思いながら、掴んだその手を引き寄せ抱きしめた。
 このままキスして押し倒してもいいかな。