「夢、じゃない……?」
 自分に訊いたのかツカサに訊いたのか、どちらとも判断できない問いかけ。
「何をどこから夢と勘違いしようとしているわけ?」
「……あ、鬼ごっこ大会の途中の出来事――私、どこから起きてた、かな?」
「……寝ていたのはほんの十分弱。少なくとも、アリスの夢じゃないって俺に否定したところからは起きていたものと解釈してるんだけど」
 だから、それはつまり――。
「私……キス、された?」
 それが事実なら、のちに続く会話も現実だったことになる。
「……した。それに、恋愛の意味での好意とも伝えたけど? 三十七度六分で頭が朦朧としているとか言わないよな? 言うなら、今すぐ御園生さんに電話して迎えに来てもらうけど?」