何しろ、ツカサが普段と何も変わらなさ過ぎて判断に困る。
 ぐるぐると夢か現実か、と悩んでいると、隣から声をかけられた。
「何を考えている?」
「夢か現実か……」
「それってさっきのこと?」
 うっかり答えてしまったことにも後悔したけれど、ツカサの質問の答えにも少し困る。
「さっき」というのは、私の考えている「さっき」と同じだろうか。
「別に困らせたいわけじゃないって言ったはずだけど」
 ツカサは前方を見据えたまま、表情を変えずにそう言った。
 それはつまり――。