光のもとでⅠ

 ただそれだけなのに、私の身体は強張りが解けていく。
 代わりに、心臓の駆け足が始まった。
 ドキドキが止まらなくなりそうで、ぎゅ、と胸を押さえる。
 何か話さなくちゃ、と思えば思うほどに会話の内容が思いつかなくて、目についた携帯を話題にした。
「つ、ツカサっ、携帯っ」
 カラオケの大音量の中で会話をしようとすると、その人の耳元で話すか、大声を出さなくてはいけない。
 私はその後者を選んだ。
 けど、自分で自分の声が聞こえないくらいの音量にしかならなかった。
「何?」と問い返されると思った。
 でも、ツカサはその手に私の携帯を持っている。
 聞こえ、たの……?