光のもとでⅠ

 ツカサは近くまで来ると、
「わざわざ席を空けてくれてありがとう」
 男子は慌てて部屋から出ていった。
「あんた来るの遅いのよ」
 そう言ったのは、私の右隣にいる桃華さん。
「俺がいなくても簾条がいれば問題ないだろ?」
「私は言葉にして威嚇する必要があるけど、あんたなら姿形、名前だけで十分でしょ? そのほうが手間が省けて楽よ」
 曲と曲の間。
 その束の間の静寂に、ふたりはそんな言葉を交わした。
 特別なことは何もない。
 隣にツカサが座っただけ。