図書室へ入ると、
「こちら嵐子! 無事、図書室に到着です」
『ぴったり六時半っ! よっし、じゃ、嵐ちゃん放送入れてー』
「了解です!」
 嵐子先輩はすぐに放送ブースへ入った。
『六時半になりましたのでゲーム終了です! 姫は図書棟に無事帰還っ! 王子は最後まで逃げ切りました! 今回の鬼ごっこ大会は生徒会チームの勝ちです! 全校生徒の皆さん、昨日今日とお疲れ様でした! 今から三十分後には完全下校ですので、ご協力をお願いいたします。生徒会役員二年書記、荒川嵐子でした!』
 放送が流れる中、私は秋斗さんとお話をしていた。
「着替えたらすぐに帰る? それなら送っていくよ」
 秋斗さんはにこりと柔らかに微笑む。