嵐子先輩の言葉にびっくりしていると、
「通常、地下道は生徒が使えない仕様なんだ」
「司がインカムで会長と朝陽に通信を入れてきたの。翠葉を地上から図書棟へ戻すのは難しいから地下道を使えって。こっちに連絡きたときにはすでに秋斗先生と湊先生に連絡済みだったみたい。司は相変わらず頭の回転がいいわ」
 ケラケラと笑う嵐子先輩を見つつ、ツカサの行動を思い出す。
 あ――校舎裏へ入ったとき誰かに通信を入れていた。
 あのとき、私のインカムには何も流れなかった。ということは、ツカサが個別通信を使っていた可能性が高い。
 そんなことを考えていると、
「手冷たいね。図書室に暖房入れてあるから早く戻ろう」
 秋斗さんに手を取られエレベーターに乗った。