光のもとでⅠ

 黒いマントに身を包むツカサはとても格好良くて、どうしてこんなに黒が似合うのか、と考えてしまう。
 しかも、しっかりと牙までつけさせられていて、不機嫌な表情が余計にしっくりと馴染む。
 もうすでに陽は沈みきっているため、西日が当たって顔が赤く見えるという言い訳は使えない。
 だから、ここより断然暗い外灯のみの外へ出たかった。
「も、桃華さんっ、校庭へ行こうっ?」
 私は桃華さんのドレスを引っ張って走り出した。
「翠葉っ!?」
 外へ出ると空気が冷たくて気持ちよかった。
 とくに、火照った顔にはちょうどいい。