「恋」を知ったからだと思う。
 でも、秋斗さんに「好き」と言われるときはいつだってドキドキしていたし、勘違いしたことはないと思う。
 その差はなんなのかな……。
「それはさておき……高校に入ってから何かあった? 中学の人間にやな思いさせられたとか……」
 心配そうな目が私を覗き込んでいた。
「……あのね、インターハイ予選が幸倉運動公園であったでしょう? そのときにね――」
 ぐらり、と視界が歪んだ。
「御園生っ!?」
 鎌田くんの声が遠くに聞こえた。