光のもとでⅠ

「この人が好きってわかったのに、わかったのにね、その人には好きな人がいたの」
 言ってる途中から涙が零れてくる。
「翠葉……参考までに相手のイニシアルとか名前とかクラスとか学年とか――」
「あんちゃん、しっかり……。それ、全部言えって言ってるじゃん」
「あぁ、そうか……。とりあえず、なんでそんなことに?」
 ふたりにツカサを好きなことを話すのには抵抗がなかった。
 恥ずかしいよりも苦しくて、苦しい想いを残らずすべて吐き出してしまいたくて……。
「ツカサ、すごく大切に想う人がいたの」
「あぁ、司っちね」
 え……?
 予想外な唯兄の反応に驚く。