光のもとでⅠ

「リィ、寒くない?」
「うん、寒くない」
「よしっ!」
 唯兄はそれだけを確認して戻っていく。
「今日はね、父さんが翠葉を独占していいことになってるんだ」
 お父さんは嬉しそうに笑った。
 だから、私も笑顔を返した。

 お父さんと外にいたのは三十分くらい。
 たくさん話をした気がするけれど、実質的にはそのくらいだった。
 家に入ると時計は九時を指していた。
 明日も朝は早いのだから、十時までには寝たい。
 でも、それには頭の容量を少し空ける必要がある。