光のもとでⅠ

 ダイニングへ行くと、「遅い」と四人に声を揃えて言われた。
 そして、唯兄とお父さんの手にドライヤーが握られている。
 唯兄の手にあるものはこのゲストルームにあるドライヤー。
 お父さんの手にあるものはいったいどこから調達してきたのだろう……。
「ほら、座って!」
 唯兄に急かされいつものようにラグへ腰を下ろすと、お父さんと唯兄の二方向から髪の毛を乾かされた。
 ドライヤーの騒音がいつもより二割り増し……。
「んー! ハーブの香りがいい香りっ!」
「唯兄だって同じものを使っているでしょう?」
「香りの強さは髪の長さに比例します」
 私たちの会話を聞いていた蒼兄とお母さんが怪訝な顔をする。