光のもとでⅠ

 秋斗さんからいただいた髪留めとツカサからもらった柘植櫛。
 それから、ツカサからもらったとんぼ玉に秋斗さんからいただいた香水。
 あと、今は手もとにないけれど、携帯のストラップも秋斗さんからいただいたもの。
 どれも大切なものだと思う。
 記憶をなくしたばかりの頃は、今ほどの気持ちを抱きはしなかった。
 今も記憶はないけれど、新しく重ねた時間がある。
 なくした記憶よりもはるかに短い時間だけど、それでもとても大切なものだと思える。
 もし記憶が戻ったら――。
 今以上に大切なものになるのだろうか。
 それとも、「今」が崩れてしまうのだろうか――。