「リィっ! 迎えに来たよっ!」
「唯兄っ!?」
 振り返ると、そこには第四通路からスキップしてくる唯兄がいた。
 相も変わらず周囲に溶け込んでしまう唯兄に脱帽である。
 蒼兄じゃこうはいかないだろう、と思っている傍らで、唯兄と朝陽先輩の会話が進んでいた。
「美都くん、もう連れて帰っていいんだよね?」
「はい、どうぞ。今日は色々とあったからすごく疲れてるんじゃない? あと一日あるから、今日はもう上がって?」
 ふわりと優しい笑みを向けられる。
 色々――確かに色々ありすぎて頭はいっぱいだし体力も限界に近かった。