「え……?」
 モニターには茜先輩と交互に動画が映し出される。
 夕焼け……。
 この夕焼けを私は見たことがある。
 忘れられないくらいきれいな夕焼けだった。
 何よりも、そこに自分が映っているのだから驚きだ。
「何これ――」
 モニターには私とツカサの後ろ姿が映っていた。
 中間考査前、会計作業で居残りをした日だ。
 あの日、部活動停止期間に入っているにも関わらず、映像研究部が大掛かりなセットを用意して私道入り口にいた。
 夕焼けを撮るため、とそう言っていた気がするけれど、どうして――。