だって、もう勘違いのしようがないから顔が熱くなることもない。
自分に向かって歌われているような気がして身体が熱くなるとか、錯覚していた頃が懐かしい。
そんな前のことでもないのに、すごく昔のような気がする。
先ほどよりは落ち着いてステージを見ることができた。
心は痛いけれど、視線を逸らさずに見ることができた。
目の前にツカサがいるわけじゃない。
だから、大丈夫。
「なんか落ち着いたっぽい?」
「……佐野くん。うん、涙は打ち止めみたい」
たくさん泣いたから、きっと流れる涙もなくなったに違いない。
これから先も、涙なんて補充されなくていい。
補充されたらまたすぐに溢れてしまいそう。
もう、涙なんていらない。泣きたくない。
自分に向かって歌われているような気がして身体が熱くなるとか、錯覚していた頃が懐かしい。
そんな前のことでもないのに、すごく昔のような気がする。
先ほどよりは落ち着いてステージを見ることができた。
心は痛いけれど、視線を逸らさずに見ることができた。
目の前にツカサがいるわけじゃない。
だから、大丈夫。
「なんか落ち着いたっぽい?」
「……佐野くん。うん、涙は打ち止めみたい」
たくさん泣いたから、きっと流れる涙もなくなったに違いない。
これから先も、涙なんて補充されなくていい。
補充されたらまたすぐに溢れてしまいそう。
もう、涙なんていらない。泣きたくない。


