集められた軽音部とフォークソング部の人たちに都さんが訊く。
「ドラムとベースとギター。この曲をコピーしたことがある人」
 数人の手が上がった。
「自信のない人は手を下ろして」
 神楽さんの要求は容赦ない。
 何人かの手が下がり、ふたつの手だけが残った。
「君たち楽器は?」
 都さんが尋ねると、ベースとギターだった。
 ベースは「Birthday」の演奏部隊にいた軽音部の風間先輩。
「んじゃ、決定。基本はモニターの音を基軸にした演奏になる。ぶっつけ本番で合わせも何もできないから、リズムが複雑なところは縦のラインをしっかり意識して」
「あの、ドラムとキーボードは?」
「ドラムは明、あんたが上がりなさい。やれないとか言わせないわよ? それからピアノはお姫様。そのスコア使っていいから」