光のもとでⅠ

 でも、引けない――引かないっ。
「だってっ、ステージに久先輩を届けたいっ」
 会場からステージまでの高さは二メートル。
 でも、久先輩の脚力なら、サザナミくんを踏み台にすればステージに上がれるはず。
 歌を歌っている人がいる状態での昇降機の上げ下げは禁止されているから、この方法しかない。
「わーった。そういうことなら俺が責任もって会長を上に届ける。だから、御園生さんはここにいて」
 サザナミくんは、久先輩の腕を掴んで会場に向かって走りだした。
 私はその場からモニターを見ることしかできない。
 今にも糸が切れてしまいそうな茜先輩を見ていることしかできない。
「何も、できない――」
 自分の声がひたすら虚しく響いた。
「よくわかんないけど、青春ね」
「うんうん、青春だね」
 私の両脇に神楽さんと都さんが腰を下ろした。