光のもとでⅠ

 コブクロの「YOU」。
 この曲にハープが使われる予定だったのね。

 ――「そうだね、全部が告白ソングみたいなものだし、はもる部分も全部別録りしてツカサの声になってる。そこまで徹底するくらいにはがんばってると思うよ」

 朝陽先輩の言葉が頭を巡る。
 はもり、完璧だ……。
 私がツカサを好きなように、ツカサも誰かを好きで……。
 その人に向けて歌っている歌。
 もう、勘違いや錯覚なんてできない。
 ツカサの歌を聴くのがこんなにつらくなるなんて思っていなかった。
 少し離れたところからじっくり見られる、とそのくらい思っていたのに。
 茜先輩の歌や久先輩の歌に悲しくなったり、何かを願ったりするのとは全く違う感情に心が支配されていた。