ツカサばかりが頭に浮かんで、消しても消しても次から次へと浮かんできて困る。
 目を瞑っても、会場を視界に入れても、何をしても出ていってはくれない。
 まるで、目にフィルターがかかったようにツカサの姿しか思い浮かばない。
 苦しい――すごく、胸が苦しい。
 私、ツカサが好きなんだ。
 これが、恋なんだ……。
 自覚した途端に失恋ってなんだろう……。
 最悪すぎて笑えない。
 最悪すぎて笑うしかない。
 ツカサの好きな人が気になって仕方なかったのは、私がツカサを好きだから。
 ツカサに歌を歌ってもらえる人が羨ましいと思うのは、私がツカサを好きだからだったんだ。