光のもとでⅠ

 ツカサの歌詞を思い出したら、その言い分がものすごいこじつけに思え、不意に笑みが漏れた。
「笑えよ……」
「ん、努力する……」

 前奏が始まり、ツカサの声が歌声になる。
 目を閉じ、その声だけに意識を集中させた。
 やっぱり、いいな……。
 ツカサに歌を歌ってもらえる人が、こんなふうに想ってもらえる人が羨ましいと思う。
 でも今は――今だけは、錯覚してもいいかな。
 私のために歌ってくれているって、錯覚してもいい?
 今だけでいいから……。
 そしたらね、ものすごく幸せな気持ちで歌える気がするの。
 ずっとツカサが側にいてくれたら、私は何も恐れずに歩いていける気がするの。
 今だけだから、だから、許してね――。