光のもとでⅠ

 もう、ドジでもなんでもいい。
 だって、思い当たる節が色々多すぎて困るくらいだ。
 本当は、咽たから泣いたわけではないかもしれない。
 自然と溢れてきた雫だったかもしれない。
 でも、今はそんなことを直視せず、飲み物のせいにしてしまいたい。
「感情移入しちゃった?」
 茜先輩の言葉にドキリ、とする。
 びっくり過ぎて涙が止まってしまったくらい。
「感情、移入?」
「あれ? 違った? なんだか、歌を聴いていてそんな気がしたの。翠葉ちゃん、誰か特定の人に側にいてほしいのかな、って」
 誰か、特定の、人……。