最初の攻撃されている、という言葉にはドキリとしたけれど、最後の唯兄が楽しんでいる、という言葉に気が抜けてしまった。
 けど、ツカサは今の答えでも満足がいかないようだ。
「どの時点で気づいたんですか?」
「そこは信頼していただけると嬉しいのですが……。うちのメインコンピューターの門番は、データの吸出しを許すような甘い人間ではありません。こういった件において、唯の敏捷性は群を抜くものがあります」
 にこり、と微笑む蔵元さんはただ者ならぬ雰囲気を放っていた。
「なるほど……。進入された時点で気づけたわけですね」