光のもとでⅠ

「ったく、待機してたのによぉ。元気なくせして俺に足を運ばせるとはいい度胸だ」
 相変わらずの相馬先生節に苦笑い。
「おら、脈見せろや」
 先生は手に持っていた羽毛布団をばさり、とその場に置くと、私の両手首を取った。
「ま、悪くはない。ほらよ、エネルギー摂っとけや」
 蔵元さんが持っていたプレートを先生経由で渡される。
 プレートには、先ほどと同じように二切れのフルーツサンドが乗っていた。
 今度はクリームの中に赤いものが見える。
 それはきっと苺。
「全部坊主の手配で図書棟に届いてたもんだ」
 言って早々に立ち去ったのは相馬先生。
 ツカサに捕まっているのは蔵元さん。