コサージュを受け取ると、なんともいえない空気がふたりの間に流れる。
「ったく、何やってるんだか……」
 そう言って割って入ってくれたのは桃華さん。
「貸して」
 コサージュを渡すとすぐに付け直してくれた。
 今まで左側についていたそれを、今度は右側につけてくれる。
 クリップ式だったこともあり、つけるのに時間はかからない。
 つまり、それだけ取れやすいこということかもしれない。
 もしかしたら、さっきのステージではしゃぎすぎたから、ツカサが触れる前には取れかかっていたのかも。
「あれ……?」
 声を上げたのは空太くん。