光のもとでⅠ

 RYTEMの「ツナイデテ」。
 ピアノの前奏にストリングスが乗り、茜先輩からの歌い出し。
 私はそれに応えるように歌う。
 手から伝わるのは茜先輩の自信――。
 歌詞に負けない強さに引っ張られる。
 Bメロに入ると手をつないだまま徐々に向かい合わせになり、二フレーズ目に入る前には完全に合わせ鏡のように立つ。
 つないでいた手をそのまま合わせて――。
 私の目には茜先輩しか映らなかった。
 一緒に歌っているのに目を引いて止まない。
 その強い眼差しに、声に、全神経を攫われる。
 ずっとつながれていた手はサビが始まると同時に離れ、今は茜先輩の気持ちを表現するためだけに動き出す。