光のもとでⅠ

「永遠なんてないと思ってた。約束は何かの介入で反故になってしまうものだと思ってた。どっちもあってないようなもの。形がないから不確かでしょう?」
 茜先輩の声が静かに答える。
 じゃぁ、茜先輩――。
「私は茜先輩と約束をしない人になります。永遠は――私も見たことがないし、存在自体がよくわからないので……茜先輩と一緒に歩いてみようかな。永遠は、自分の目で見て確かめます」
 目をしっかり合わせると昇降機が上がりきり、会場の明るさに目が眩んだ。
「翠葉ちゃんはどこまでも翠葉ちゃんね。……大丈夫、ステージでは私がついているから。ステージ上では頼ってね。その代わり――やっぱり私はこの歌を翠葉ちゃんのために歌うわ。そうすることで、私を強くいさせて」
 きゅ、と手を握られ、私は「はい」と答えた。