「翠葉、どこ行ってたのっ!? あれっ? ケープはっ!?」
よく通る声が降ってきてびっくりした。
嵐子先輩の手が肩に乗ると、ずいぶんと身体が冷えていることに気づく。
「翠は答えなくていい。そのまま飲んでろ」
軽く頷くと、嵐子先輩にはツカサが代わりに答えてくれた。
私はツカサに行き先を伝えていたけれど、ほかの人にそれは伝わっていなかったらしく、次に歌う私と茜先輩がいないことに奈落は大騒ぎだったようだ。
「なんで?」なんて思う必要も訊く必要もない。
それがツカサの優しさだとわかるから……。
「少し落ち着け。ケープは茜先輩が羽織ってる。先輩はあと一分もせずに戻ってくる」
そう言い終わる頃、カツカツカツカツ、とヒールの音が通路から聞こえてきた。
よく通る声が降ってきてびっくりした。
嵐子先輩の手が肩に乗ると、ずいぶんと身体が冷えていることに気づく。
「翠は答えなくていい。そのまま飲んでろ」
軽く頷くと、嵐子先輩にはツカサが代わりに答えてくれた。
私はツカサに行き先を伝えていたけれど、ほかの人にそれは伝わっていなかったらしく、次に歌う私と茜先輩がいないことに奈落は大騒ぎだったようだ。
「なんで?」なんて思う必要も訊く必要もない。
それがツカサの優しさだとわかるから……。
「少し落ち着け。ケープは茜先輩が羽織ってる。先輩はあと一分もせずに戻ってくる」
そう言い終わる頃、カツカツカツカツ、とヒールの音が通路から聞こえてきた。


