伝えることにはまだ慣れないけれど、わかってくれる人がいると知ったとき、話せる人がいるとわかったとき、涙が止らなくなるほどに救われた。
 そういうものとは根本的に違うとツカサは言いたかったのだろうか。
 ツカサの使う言葉はいつもものすごくストレートなのに、時々よくわからない。
 この通路の先にいる茜先輩は何を抱えているのだろう。
 私に何を話したいのだろう。
 私で良かったのかな……。
 考えているうちに不安になってきたけれど歩みは止めない。
 速度を緩めることなく、逆に少し加速させる。
 すると、通路に座り込む茜先輩が目に入った。