第四通路に足を踏み入れ、ツカサに言われたことを思い出していた。
 人に話したところで少しも楽になれない話ってなんだろう……。
 心に抱え持つドロドロとしたものを人に話すとき、勇気が必要なことは知っている。
 話したあと、どう思われるのかが怖くて仕方がないということも……。
 たとえば、痛みのことを誰かに言ったところで楽にはならないから話さない。
 一度口にしたら、言いたくないようなことまで言ってしまう気がするから。
 醜悪な自分を晒したくないから言いたくない――。
 そういうものとは違うのかな。
 でも、私は――。