光のもとでⅠ

 いつから執事になったんですか、と訊きたかったのだけれど、口にするより先に、
「ちょっとこれ持って待ってて?」
 と、二種類の飲み物を私に渡すと走り出した。
「おら、高崎っ! 奈落を走るなって言ってるだろっ!?」
 どこからかお叱りの言葉を受けつつ、
「見逃してくださーい」
 と会場に駆け上がり、数分としないうちに戻ってきた。
 紙コップを手に持って。
「希釈率は?」
「え? あ……リンゴジュースが二のお水が一だけど……」
 ポカリはお水と半々がデフォルトだけれど、果汁ジュースなら半々もしくは二対一と、お水が少なくても飲める。