光のもとでⅠ

 どうしても自分から視線を逸らすことができなかった。
 大画面モニターから逃れて会場へ来たのに、これではなんの意味もない。
 顔が熱くなるのはあっという間だった。
 顔というよりは、身体中が熱い気がする。
「体調は大丈夫?」
 突如耳もとで聞こえた声にびっくりした。
「え? あっ、はいっ。大丈夫ですっ」
 朝陽先輩の声がきっかけで、ツカサから視線を逸らすことができた。
 ついでに、妙に熱い頬に自分の手を当てて冷やす。
 末端冷え性がこんなふうに役立つとは思いもしなかった。
「どうかした?」
 どうか……?
 どうかしたというか、ツカサが格好良くて困るというか……。
 どうしようなんて答えたら――。