ひとりはブルーのグラデーション。もうひとりはピンクのグラデーションのロングドレスを身に纏っていた。
「こちら、佐野のお姉さんで神楽(かぐら)さんと都(みやこ)さん」
 顔も名前も知っていた。
 私が先日まで知らなかったのは苗字のほうだ。
 コクコク、と顔を縦に振ると、
「初めまして。ピンクが都でブルーが私、神楽よ」
 と、手を差し出された。
 その手はとてもあたたかかった。
 神楽さんの反対側から都さんの手も重ねられ、まるでサンドイッチ状態になった私の手はどんどんあたたかくなる。
 ふたりの手はウォーミングアップ済み、とそう言っていた。