光のもとでⅠ

 そんなことを考えていると、飛鳥ちゃんが両腕を上げ、頭の上で大きな丸を作った。
 次の瞬間にはマイクを手にして、
『海斗のバカっっっ』
 と、よく通る声が大きすぎる音量で桜林館に響く。
 思わず耳を塞ぐ行動に出てしまった人多数。
 だって、音割れてるし……。
 つまり、そのくらいの大声をマイクに向かって言った、ということ。
 でも、海斗くんはおかまいなしににこりと笑う。とてもとても嬉しそうに。
『ってことで悪いー! 全校生徒男子諸君、立花飛鳥は俺のだから手ぇ出さないように!』
 幸せそうに宣言した。
『普段言えないこと、みんなもあるよね? でも、今日と明日は紅葉祭だからさ、俺に便乗して告白祭りしてみたら? 何か変わるかも知れないよ!』
 そんなふうに仕切りなおして次の歌に入る。