どうしよう……。
見慣れているはずの端整な顔すらいつも以上に格好良く見えて直視できない。
それ以前に近づけない。
忘れていた。完全に忘れていた。
ツカサって無駄に格好いいんだった……。
でも、これ、渡さなくちゃいけないし……。
「翠葉ちゃん、それ、藤宮先輩に渡さなくていいの?」
奈落に着いた途端、人の邪魔になるのも憚らず足を止めた私を不思議に思ったのだろう。
香乃子ちゃんに訊かれて情けない顔になってしまう。
「あの、ね……格好良すぎて近寄れない」
小さく答えると、きょとんとした顔を向けられる。
少ししてから、
「暗くてはっきりとはわからないんだけど……。翠葉ちゃん、今ものすごく顔が赤い気がしますよ?」
どうしてか敬語で言われた。
見慣れているはずの端整な顔すらいつも以上に格好良く見えて直視できない。
それ以前に近づけない。
忘れていた。完全に忘れていた。
ツカサって無駄に格好いいんだった……。
でも、これ、渡さなくちゃいけないし……。
「翠葉ちゃん、それ、藤宮先輩に渡さなくていいの?」
奈落に着いた途端、人の邪魔になるのも憚らず足を止めた私を不思議に思ったのだろう。
香乃子ちゃんに訊かれて情けない顔になってしまう。
「あの、ね……格好良すぎて近寄れない」
小さく答えると、きょとんとした顔を向けられる。
少ししてから、
「暗くてはっきりとはわからないんだけど……。翠葉ちゃん、今ものすごく顔が赤い気がしますよ?」
どうしてか敬語で言われた。


