光のもとでⅠ

 足裏はラバー素材で筒状の部分はフリースでできている。
 そっと足を入れると、ふかふかとしてとてもあたたかかった。
「ステージに立つまでは極力冷やさないように!」
 嵐子先輩とまっちゃん先輩がにっ、と笑った。

 更衣室を出る際、嵐子先輩からツカサのコサージュを預かった。
 奈落に着いたらすぐにツカサを探そうと思っていたけれど、探す必要は全くなかった。
 白いシャツに黒のパンツを履いたツカサが、誰よりも先に目に飛び込んできたから。
 とてもシンプルなコーディネートなのに、どうしてこんなに格好良く見えるのか……。
 周りの女の子たちも忙しそうに動いてはいるけれど、みんな一度は必ず振り返る。
 首元というか、襟元がいつもよりも広く開けられていて、妙なドキドキに胸を押さえずにはいられなかった。